剛毅朴訥にして真摯な紳士
パンクラスという格闘技団体がある。
現在は、格闘技団体として世界中から注目されており、この団体で活躍した選手のうちの何人もの日本人選手が世界NO.1格闘技団体のUFCに上がっている。
つい先日も、パンクラスからUFCに上がった近藤朱里選手(日本人女子選手)の試合がUFCで行われた。
結果は、33秒KO負けという残念な結果だったが、選ばれた人間しか上がれない非常に狭き門であり、世界中が注目する檜舞台だ。
そんな華々しいUFCの開催と近接した日程で、パンクラスの大会がつい先日開催された。そこで、一人の日本人選手が試合を行い、引退した。
その選手の名前は、
上田 将勝(うえだ まさかつ)
日本格闘技界軽量級でも屈指の実力者だ。
バックボーンは、レスリング。学生時代には、レスリングの試合であの山本徳郁選手(後の山本”KID”選手)にも勝っている。
そして、今や、日本格闘技界で一番メジャーな大会でもあるRIZINでスターとなっている堀口恭二選手に修斗時代に勝っている。
ちなみに、堀口選手に総合格闘技の試合で勝った日本人選手は上田選手だけなのだ。
そんな、偉大な選手が引退した。
「勝っても負けてもこの試合が最後です」
上田選手はこの試合前にそう語っていたそうだ。
彼の試合は、非常に観ている者の心を揺さぶるような試合だった。
そのひたむきさ、その真摯さ、その熱さ、そのどれもが観客の感情移入を促すような試合だった。
彼が修斗のプロ選手になった頃から、海外に行くまで彼の試合結果はいつもネットで追っていた。
彼が2008年に修斗の世界チャンピオンになり2年間守り続けてきたそのベルト賭け、2010年に勝村周一郎選手と行ったタイトルマッチ。
この試合で『ニンジャチョーク』という新技で一本負けをし、ベルトを失った時には、あまりの衝撃に目を疑った。これが彼のプロ初黒星にして、初一本負け。
その他にも、ここに書いても誰もわからないだろうけど、格闘技ファンであれば、誰でも知っているようなビッグネームとも数々の試合を行い、そしてその多くに勝利してきた。そんな幾多の印象深い試合を戦ってきた上田選手。
40歳にしてパンクラスのチャンピオンシップに臨み、とてつもなく強い外国人選手に無念の判定負け。
戦前に語っていた通り、この試合で現役生活を終えるとの事。
ただ、一ファンとしては、もっと彼の活躍する姿を観ていたかった。
観ているだけの人間の非常に身勝手な意見だというのは百も承知なんだけど、やっている方のツラさや大変さを度外視しているというのも百も承知なんだけど、ただファンの戯言として最後に言っておきたい。
「いつかRIZINで同世代の上田選手の活躍を地上波で観たいなと思っていました。長い現役生活、本当にお疲れさまでした。」
以上。
彼の人柄やその姿勢、つまり彼の生き様から想像するに、
きっとたくさんの関係者やファンが彼の引退で涙したんじゃないかなと思います。
彼のように、生き様で人に何かを伝えられるような、そんな人生の過ごし方を日々していって今よりちょっとでも前進していけるよう精進し続けないといけないなと改めて思った。
それと同時に、
その昔、同じ道場に所属して一緒に練習をしていた時間があったなあというのを久々に思い出して、ちょっと懐かしかった。
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