シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

恐怖!ニンゲンモドキの侵略。

f:id:shiotapathos:20180526011209j:plain

 

ある日の部下とのミーティング。

 

このミーティングは、不定期に実施するもので、内容はこんな感じ。

『業務上で、なんとなくスムーズに進んでいないと思う事やもやもやする事』を挙げてもらい、その事柄の問題を発見して、問題解決までを考えるという内容のミーティングだ。

個人的には、このミーティングの時間は、俺から見たらまるで異星人にも感じられる彼らの考え方を知り、仕事について必要な考え方などを伝える良い機会だと思って有効活用していたつもりだった。

でも、そんなのはホントに大甘な俺の認識だった事を思い知らされた。

 

この日のミーティングでは、チームの中で最年少の男性社員H君のモヤモヤからスタートした。彼が言うには、「今年度から任されている新しい業務がうまくできていない気がしている」という内容だった。

少し詳しく書くと、彼が任された新しい業務とは、彼の所属するチームが実施するイベントの集客状況のとりまとめの事だ。

この取りまとめは、進捗の確認はもちろんだが、それ以前の内容としてイベントの方向性やコンセプト(といっても大枠は会社が決めているもの)の枝葉の部分を決めて、実施日に向けて進めていくという内容だ。

この業務を初めて任された彼にとってはとても難しく感じているという内容の話だった。

それを聞いていた同じチームメンバー達に、いつものごとく、「一体何が問題なのか」という事を考えさせた。

 

そして、事件は起こった。

 

彼らは、問題発見をする際に、とにかく思いつく事柄を次々に挙げていく。

A君「〇〇が問題なんじゃないかな?」

Bさん「あー、そうかも。私だったらその時はこうしてたな」

C君「俺も、そうだった。でも、◇◇という可能性もあるよね?」

A君「確かに。そしたら、△△も考えられるけど、H君どう?」

H君「どれも当てはまるので…。」

 

・・・同様のやり取りがしばらく続く・・・

 

A君「Bさんはどうしてた?」

Bさん「私は、最初やった時に分からなかったから相談に行ったよ」

C君「あー、俺も相談行ったな。そういえば」

A君「じゃあ、問題は相談に行かなかったって事かな?」

Bさん「そうだね。相談に行かなかった事だ」

C君「じゃあ、問題はそれって事で」

シオタ「それがみんなの総意?」

A・B・C「はい」

シオタ「わかった。じゃあ、H君は、3年目だけど相談もできない無能だというのが皆の総意って事ね?」

A・B・C「あ!いや、違います!えーと…」

以降、シオタの解説が続く。

 

という感じで、彼らの問題発見力を目の当たりにしたんだけど、文字にしてみると今一つあの時の衝撃が伝わらない感じだ。

この部分をもう少し解説すると、あの時彼らは、様々な『問題点』だと思われる事を次々に連想していったのだ。発想ではなく、連想というところがポイント。

そして、その連想して出てきた事柄の中から、これがホントに唐突に「じゃあこれを問題という事にしよう」と、いきなり決まったのだ。多数決で。

で、恐らくこの時の『最大の問題点』だと彼らが思った事柄を抽出した時には、何の根拠も無かったのだ。ホントに文字通り、何の根拠も無かった。なぜなら、「かくかくしかじか、こういう理由でこれを最大の問題点としようと思う。なぜならば~」という話が一度もなかった。

つまり、彼らは、「連想して複数出した『思い付き』の選択肢の中から、自分たちが『勘』で『これだ』と『閃いた』事柄を『問題点』として抜き出した」という事だ。

 

こんなに恐ろしい事は無い。

彼らは、あろう事か、自分達よりも人生の後輩である最年少のH君に対して「そんなつもりじゃなかった」けれども、『3年目なのに相談もできない無能なヤツ』という認定を下したのだ。

普段、あれだけベタベタ仲良しごっこを社内で繰り広げているにも関わらず。

しかも、何の根拠も無しにこれだけ恐ろしい事をサラッと言えてしまうのだ。

 

この瞬間に、今まで彼らに抱いていた「疑念が確信に変わった」。

「自信が確信に変わった」という名言を残した松坂投手もビックリだ。

 

彼らは『思考』する事ができない。

彼らが『思考』だと思っている行為は、

『連想』に過ぎない。

 

彼らが『検証』だと思っている行為は、

『勘による選択』に過ぎない。

 

彼らが『仕事』だと思っている行為は、

『時間の量り売り』に過ぎない。

 

本人たちにはほんの一かけらすらの認識も無いまま、

日常的にそんな事が繰り広げられているのだ。

 

これは、もう、どうしたら同じ『言葉』で通じ合えるのか。

一見すると普通の人間に見える彼らに対して、俺は、心の底から恐怖を感じた。

 

#恐怖 #ニンゲンモドキ #物の怪 #人ならざる者 #あやかし #連想ゲーム #思考 #人間の条件 #見えない壁 #中間管理職 #悲哀