理想と現実の狭間、魔空空間に引きずり込め!
今日は、うちの会社が取引先に向けたイベントを開催した。
例年やっているこのイベントは、小規模ながらも参加していただいた皆様からの評判は上々だ。
昨年度までは、準備から当日の運営とイベントの回しまで、俺が運営を担当していたが、今年度は若手の育成という事で、うちの若手で4年目のY君にその役目を引きついだ。
とは言え、いきなり全部任せるのは俺も会社も不安なので(なぜならばいつもブログに出てくるように、基本ポンコツばかりだから)、もちろんお目付け役として陰ながらサポートに回る俺。健気である。
で、イベントが終わったわけだが(イベントの準備から実施の中身までを書き出したら、とてもじゃないけど寝る時間が無くなるくらい書きたい事が出てきてしまうので、今日は一番のトピックだけにする予定なのだ)、その帰り道での事だ。
ちなみに、今日のイベント会場は、遠方の会場を借りて行った。
その会場は、珍しく電車で行った方がアクセスのよい会場だったので、今日はイベント参加スタッフ全員で電車で向かったのだ。
そして、帰りの電車の中で、今日の運営担当者のY君と今日のイベントについて話をしながら帰ってきたのだ。
Y君は、開口一番こういった。
Y君:「色々ありましたけど、今日は我ながらよくできたと思ってます」
シオタ:「そうなんだ。どの辺りがそう思うところ?」
Y君:「全体的にです。何しろ盛り上がったので。アンケートもサッと見ただけですけど、満足度がMAXだったので良くできたなと」
シオタ:「(イベントが盛り上がったのは、去年俺が作ったイベントの台本通りに進めたからだと思うが…)そっか。じゃあY君も満足度高い?」
Y君:「はい。それでも練習が甘かった部分もあるので、そこは次回に生かして行きたいですね(ドヤ)」
シオタ:「(ドヤ顔でする話なのか…)生かせる部分は次に生かしていけるといいね」
Y君:「はい。まあでもホント、アンケートも満足度高くて良かったですよ(ドヤ)」
シオタ:「そんなに良かったんだ?」
Y君:「はい。どうぞみて下さい(ドヤ)」
シオタ:「(すげードヤるのね…)ありがと」
―アンケート確認中―
シオタ:「このアンケート良く見てみた?」
Y君:「はい。まあサラッと見ただけですけど」
シオタ:「これ、満足度だけは高いけど、あのイベントの盛り上がり度合いを見てればこの満足度の高さは予想できたよね?」
Y君:「はい。まあ予想通りでした」
シオタ:「で、満足度が高かった以外に、このアンケートから読み取れた事ない?」
Y君:「読み取れたこと?ああ、ここに書いてあるので、参加して良かったっていう方が多かったって事ですかね?」
シオタ:「いや、それ以外に」
Y君:「(よくアンケートを眺めて)いや、ちょっとわかんないです」
シオタ:「じゃあ、解説するけど、かくかくしかじかここがこうなってるからこの人は実はこんな風に思っていてるし、こっちの人はここがこうこうなっててそこがそうなってるから、こんな事を思っていると思うよ。他にも色々あるけど、参加者の人達は、概ねウチが本当に狙っていてこのイベントをきっかけにこんな風に繋がったり広がっていったりという利用の仕方してくれたらいいなあと考えてる事については、誰一人として考えていないという事がわかるよね。あくまでも、このイベント自体に参加した事で即物的に判りやすいメリットとして何が手に入ったんだ?という考えだけで、良かった悪かったを判断してるって事だよね」
Y君:「(?)あー、はあ」
シオタ:「Y君が、感想で言ってた、我ながらよくできたという感想だけど、これってどういう事?」
Y君:「(?)どういう事?」
シオタ:「『今の自分ができるMAXが出せた』という事?」
Y君:「MAXというか、まあ、でも、そうなんですかね」
シオタ:「なるほど。じゃあそれは、『自分が思い描く理想の姿』が実現されたって事?」
Y君:「え?いや、よくわかりません。どういう事ですか?」
シオタ:「『今の自分ができるMAXが出せた事』と『自分が思い描く理想の姿』は一致する事は絶対に無いんじゃないかなと俺は思ってるんだよね。『今の自分ができるMAXレベルの事』は果たして『自分が思い描く理想の姿』なのかという」
Y君:「え?ちょっとわからないです。もう1回いいですか?」
シオタ:「今できるMAXレベルの事が自分の理想の姿だとしたら、どれだけ理想が低いんだって事になる。俺からしたら、『自分の思い描く理想の姿』が実現される事は生きてる限りないんじゃないかなと思うんだよね。常に『今できるMAXレベルの事を出して』それを続けることで、『自分の思い描く理想の姿』に近づく事はあるかもしれないけど、MAXレベルの事を出している自分は成長しているという事だから、成長した自分が思い描く理想像は、成長する前に描いた理想像とは既に変わってるはず。つまり、いつも言っている、仕事の質を高める事は際限なくできるんじゃないかって思う」
Y君:「なるほど。何となくわかりました」
シオタ:「ホントに?」
Y君:「はい。もっとやれるって事ですよね?」
シオタ:「まあ、そうなんだけど。傍から見たら『よくやったね』という事はたくさんあると思うんだ。今日のイベントも、今までのY君だったらできなかったと思うから『よくやったね』と俺も思うよ」
Y君:「ありがとうございます!我ながらよくできたと思うんです(ドヤ)」
シオタ:「でも、それをやった本人が『俺よくやったな』と思うって事は、『自分のMAXレベルを出せた』かもしれないだけの時に、既に『理想の姿が叶った』と思ってるんじゃないかなと。そしたら、その人の成長はそこで終わるんじゃないかなと俺は思うんだ。あと、次回に生かすというのも、次回がある前提で話をしてるから『できなくてもいいや。次もあるし』って思ってるから出てくる事だと思うんだ」
Y君:「なるほど。わかりました!」
シオタ:「わかった?」
Y君:「はい!『次は無い』と思って、頑張ってやって、失敗したら次回に生かせばいいってことですよね!(満面の笑みで)」
ここまで話した事は一体何だったんだ・・・。
でも、
『今の自分のMAXレベルを出す』事と
『自分の理想を追い求める』事は、
目標と目的位違うんだな、という事がわかった。
わかっていたけど、あらためて、わかった。
これだけでも、良しとしておこう。
めでたしめでたし。
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