イノベーションを邪魔するのはいつだって自分なのだ

この前、キーボードを買った。楽器ではなく、入力に使うキーボードだ。

俺は、スマホでの文字入力が不得意だ。スマホで文字入力をしようとすると物凄く時間がかかる。なので、スマホで文字入力をする必要に迫られるとできるだけ文字数を少なくしたい。いや、むしろ、できるだけスマホで文字を入力しなくて済むようにしたいと思う。

で、結果として、文字入力を極力しないようにするために極力眺めるだけで終わろうとするのだ。返信も本当に返さないといけないようなモノだけは返すようにしている。

そんな俺なので、スマホへの入力作業をできるだけストレスなくできるようにと思ってスマホとBluetoothで接続できる小さいキーボードを買ったのだ。値段は2000円台で、店頭に置いてあった物としては最安値のやつだ。

実は、これと同じようなキーボードを会社で使っている人がいるのだ。会社の中で唯一の同志であり俺と同じ中間管理職の後輩Ｍさんだ。この人が、ずいぶん前にスマホとタブレットへの入力用としてキーボードを買って使っているのを時々見ていたのだ。

「これすごく便利ですよ」という感想は何度となく聞いていたが、自分で買うのはためらっていた。理由は良くわからない。スマホでの入力作業をする場面はＭさん程じゃないにしても俺も時々遭遇してはいたし、それなりに不便さも感じていたが、本当に何となく買うのをためらっていた。

だけど、今回買って使ってみて、「もっと早く買っておけばよかった！俺よ、何故躊躇していたのだ！」と、自分の愚鈍さを嘆くほどに便利を感じたのだ。

何しろ、どこでも思いついた時にサッと入力ができる。

何かを記録したい時、何かを思いついた時、そんな時にすぐに書いて残しておける。そして、必要とあればすぐにメールで送信できる。更に、スマホでの入力のように少し長めの文章を打つのでもそれ程時間をかけずに入力できる。ＰＣのように起動時間を待つ必要もなく、持ち運びもキーボードだけなら重くないし、そもそも価格がとても安い。

実際に、これを買ってからまだ3日程度しか経っていないのに、もはやこのキーボードが無いと不便を感じる程には使用している。

もちろん、手書きのメモやノートも仕事で使ってはいるけど、どうしてもキーボードでの入力の方がスピーディーなので、頭の中にある事柄や誰かの話や思いついた事を短時間で素早く書き留めておくには、場所さえ確保できれば、俺の日常ではキーボードが圧倒的に便利だったのだ。

『キーボードを購入する』というたったこれだけの事で、「スマホでの文字入力はできるだけしたくない」と思っていた俺の中でとてつもない変化が訪れた。もはや、スマホでの文字入力は俺にとってストレスではなくなったのだ。いつでもどこでもキーボードが打てるスペースさえあれば様々な事が捗る状態になった。そもそも、よくよく考えると、俺が仕事やプライベートを含めてＰＣを使う時というのは、主に①『AbemaTVで格闘技を観る』、②『ネットで調べものをする』または③『“何らかの“テキスト作成』のどれかである事がほとんどだ。

そうすると、①②はスマホでできるし、③もキーボードがあればスマホでできるのだ。もちろん、細かく分類すればPCじゃないとできない作業も多々あるのだけど、今の俺には大別するとこの３つの作業がPCの前に座っている理由なので、今回スマホ入力用として買ったキーボードは、言うなれば、もう1台のポータブルPCを買った事に匹敵する気がしている。

これは、まさに俺にとってのイノベーションだ。

自分の信頼している人が「便利だ」とか「これは良い」と言ってるモノやコトは、もっと積極的に試してみる事が必要なんだな。そのうえで、良ければすぐに取り入れていく必要があるんだなと改めて実感した出来事だった。過去の自分と比較するとこれでもずいぶん様々な事を積極的に取り入れるようになってきた筈だと思っていたんだけど、まだまだ足りない部分が多かった事を思い知らされた。

今回購入したELECOMのキーボード、￥2000台。

買う前に失ってしまっていたかもしれない機会、プライスレス。

だけど、

買って手に入れた今、これからモノにできる機会もプライスレスかもしれない。

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