シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

偶然の再会の目撃者

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先日、仕事でウチの若手のY君と東京へ出張に行った。

 

俺の勤務先である某地方都市から東京までは電車で1時間程度。
まあそれ程時間がかからずに東京まで出られるのだ。
出張先は東京都内のとある駅からほど近いどでかいビル。
そこでとある研修が行われた。

時間にして、ほぼ半日の研修だ。
昼頃から始まって、夕方17時頃に終了した。
このまま電車で帰ればギリギリ終業時間までに会社に戻れそうな時間だ。
研修疲れで、ややぐったりのまま帰りの電車に乗ろうと駅の改札に向かう。
さすが、花の都大東京のど真ん中だけあって人の往来が激しい。
駅の改札に向かって歩いているが、改札から出てくる人達は皆こちらに向かってひっきりなしに人が出てくる。


人波をかきわけて改札に向かうと、ふと目線が一人の男性に向いた。

「あ!」

と思った瞬間、俺はその男性の方に向かっていった。
相手はまだこちらに気づかない。
そして、相手に気づかれるより前に、その人のすぐ斜め前に移動して、ポンと軽く肩を叩く。


「?」
一瞬とまどう、その男性。
そして、次の瞬間には、破顔一笑


「おー!シオタ!」
俺は内心、さっきの一瞬の戸惑いがあったので、

「忘れられてなくてよかった」と安心した。

 

彼は、俺の大学の同級生で、現在はとある人気商売の業界ではちょっとした有名人だ。
雑誌やネットで頻繁に彼の活躍する姿を目にする機会があるくらいには人気者だ。
でも、こんな風に私服で一人で歩いている姿をみるとあの頃のままだ。
彼が活躍する姿をメディアを通しては一方的に見ているが、再会するのは実に数年ぶりだ。


軽く話をしたところ、彼はこれから仕事に向かうとの事で、軽く挨拶を交わし短めの近況報告をしてすぐに別れた。

それを少し離れたところから見ていたY君と合流し、さっきの彼がどんな人物なのか簡単に説明しながら帰路についた。

 

それから約1時間、我々の職場の最寄駅に降り立った。


ホームを出口の階段方面に向かって歩いてると、突然Y君が、ホームの向こうからこちらに向かって歩いてくる人を睨みつけるようにじっと見ている。
全く目線を外すことなく、その相手が通り過ぎてしばらくするまでずっと見ているのだ。所謂「ガン飛ばす」的な視線であった。
俺は若干怖くなったのと、多分に不思議に思ったので聞いてみた。

 

シオタ:「どうしたの?知り合いでもいた?」
Y君:「はい。普通に知り合いかと思って見てたんです」
シオタ:「知り合いだったの?」
Y君:「そうかなと思ってよく見てみたんですけど、よくよく見たら全然違いました」
シオタ:「(?)違ったんだ」
Y君:「いや、東京でシオタさんが同級生と会ったんで、俺も会うかなと思って」
シオタ:「(え?)すごい見てたから、同級生に良く似てたの?」
Y君:「いえ、全然違いました」
シオタ:「(マジで?じゃあなんであんなに凝視していたんだ)…。」


一緒にいる誰かの身に起きた出来事は、恐らく自分の身にも起きるであろうし、起きて欲しい。

 

そんな、子どもの時の妄想のような事を考えながら、あれからずっとこの事ばかりを考えていたであろうY君。
上にある会話を交わした時に、最近いつも彼に対して思う「憐憫の情」的なモノがふと湧き出てきた。


Y君が精神的大人になって、皆を取りまとめる様子は、今のところ浮かんではこない。

 #妄想 #憐憫 #中間管理職 #悲哀