シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

ここから始まる物語。え?どこ始まり?

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先日、仕事中に(もはやいつもの事ながら)驚く事があった。

 

商品についての研修(多店舗スタッフ及び協力会社が参加)があり、会議室の中の机とイスを研修用に並べ替えるという作業があった。

 

この研修を行うのは、俺の上司であるH課長(お局兼務・50代女性・荒俣宏似)。
当然の事ながら、特命係長であるこの俺シオタに指令が下る。


「アンタが監督して研修用に部屋の中を適当に配置しておいて。イメージはとりあえず云々かんぬんかくかくしかじかな感じで。前にやったから大体わかるよね。明日の〇時までによろしくね。」こんな曖昧な指示だ。

 

とは言え、俺がやればすぐ終わるのがわかって出している指示なのだ。
そこで、閃いた俺は、ウチの若手社員で現状様々なイベント等でスタッフとして参加する機会の多い4名に準備をやらせて、会場のレイアウトからイベント準備の実践経験を積ませようと考えた。


選抜メンバーは次の4名だ。

①Y君(キレる若者代表)
②K君(最年少男子)
③Iさん(4つまでの項目なら暗記可能)
④R田さん(イベント初参加)

異常の、いや、以上のメンバーだ。

 

この4名、これまでに俺の監督の元、数々のイベント準備から運営に携わってきた、言わば精鋭ofポンコツピーポーだ。
果たして、彼らはこれまでの経験を活かして、無事この研修を迎える事ができるのだろうか。

 

翌日、時間通りに集合した彼ら。
いざ、準備を開始した。

 

最初に取り掛かるのは、この研修準備の最初にして最大の難関である会場のレイアウトだ。


ちなみに、H課長の指示を簡単なイメージ図にした青写真は渡してある。
そして、イベント会場のレイアウト方法に関する資料も以前に彼らに渡してある。
それらの資料を確認しながらレイアウトを進めていた。

 

しばらくして、おおまかな配置(とは言っても、机とイスの数と大体の場所は青写真通りなので誰でもできるレベルである)が概ね終わった。


その後、机とイスの微調整に入る。彼らの中のリーダー的存在であるY君の声が聞こえてくる。


「こっち、あともう少し動かして。OK、いいね。じゃあ、今度こっちをこの位動かして。あー、いい感じ。じゃあ座ってみて。どう?え?狭い?あ、じゃあ、そっちを向こう側にもう少し、もう少し、あ、いいね。じゃあ、こっちどう?え?広すぎ?あー、じゃあ、今度そこをもう少しこっちに、え?バランスがおかしい?じゃあ、こっちをこうして。とりあえず、みんな座ってみて。あー、もうちょいこっちかな…(以下無限ループ)」

 

と言う感じで延々終わらない。
待てど暮らせど上のやり取りを繰り返すばかり。
概ね、H課長のイメージ通りには整っているとはいえ、完成とするにはほど遠い。
ここで俺が入って終わらせれば話は簡単なんだけど、それだったら、この若手達に任せようと思った意味がなくなる。

 

もう少し我慢して待ってみよう。

そう思ってしばし我慢を繰り返す。
しかし一向に終わる気配が無い。
「一体、いつ終わるんだろう?」俺が待ちくたびれたその時、今日の研修受講者である協力会社の方がやってきてしまった。
残念。完成はしなかったが、準備はここまでだ。
いくらなんでも、大体整ってる会場に協力会社の方が来てしまった後も準備を続けるわけにはいかないのだ。

彼らに準備終了の旨を伝え、引き揚げさせた。


その後、時間通りに研修はスタートした。

・・・・・

数時間後、研修は無事終了した。


H課長からは「お疲れさん。準備どうもねー」という軽いノリの労い(?)の言葉をいただいた。

準備にあたってくれた4名を招集し、H課長の労いの言葉を伝えた後で全員にレイアウト準備が終わらなかった理由を聞いてみた。が、結果、答えられたスタッフは一人もいない。もちろん想定の範囲内だ。答えられるスタッフがいるならば、準備の段階で既に終わっているのだ。

 

予想通りの展開だったので、研修が開催されている時間の中で、俺が辿り着いた仮説を話してみた。内容は次の通りとてもシンプルなものだ。

 

「レイアウトをする際に、レイアウトの礎となる基準点を決めないのでは?」

 

この指摘をした瞬間のみんなの顔。
全員が一律に、何かに気づいた時の顔をしたのだ。


そして、思い思いに感想を述べていた。

「その視点無かったです。これでできそうです!」
「基準を決めたら次からできますね」
「すごい事を教えてもらいました。ありがとうございます」
「自分で発見できなかったのが悔しいです」
etc


というか、何かの配置を決める際に基準点を定めるのは当然なんだと思っていたよ…。
そもそも、この感覚は教えてもらった事ないよ、俺は。
余りにも当たり前にやっていること過ぎて、なんというか、逆にこれを君たちに教える事に成功した自分を誉めたい。
そして、君たちに感謝の気持ちを伝えたい。

 

「みんな、ありがとう。おかげで俺は無意識でやっている自分の行動を明文化する事に成功したぞ!」

さて、これからは一体どんな発見が待っているのだろうか。
まるで他人事のように、我ながら楽しみになってきたぞ。

 

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