シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

待ってました!あれ?ヒーローじゃないの?

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ジムで少し気になるおじさんがいる。

 

俺がこのジムに入った時には既に在籍していたおじさん。
ほぼ毎日見かけるこのおじさん。
見た目的に、恐らく年齢は50代半ば位であろう。
長年ジムに通っているだけはあって、この年代にしたらカッコいい体つきだ。
身長は160㎝程か、ジムにいる時の恰好はいつも決まっていて、
上半身には、一見するとAVIREXのタンクトップのようなモノを、下半身はジャージのハーフパンツが定番だ。

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今までは、いつも一人でトレーニングしていた。
「頑張ってるおじさんがいるなあ。俺も負けないようにトレーニングしよう」
なんて思う事がたびたびあった。

 

それがここ2週間くらい前から、
新規に入会したと思われる痩せ型の若いお兄さんと話し込む姿をよくみかけるようになった。
日を追うごとに、その若いお兄さんとおじさんが話をしている姿を頻繁に見かけるようになった。

 

そして、つい数日前のこと。

 

おじさんが、自分のトレーニングもそこそこに、若いお兄さんに熱血指導している姿に遭遇した。
それはもう、熱血指導としかいいようのない姿だ。
声も大きく、一生懸命指導している。

「今、どこに効いてるんだ?しっかり意識しろよ!」

 

若いお兄さんは返事をしているのかしていないのか、おじさんの声だけがよく響く。
普段は他の人達が談笑しながらトレーニングしていても全然気にならないんだけど、
なぜかこの日は、ジムのどこにいても、このおじさんの声が響いていた。

「力が抜けてるぞ!ほら、挙げろ!」

 

その日のトレーニング中の事。

セット間の合間で休憩をしていると、おじさんが物凄い速度で何度も何度もキョロキョロと辺りを見回している姿を見かけた。
どうやら、あの若いお兄さんが見当たらなくなったようだ。
しばらくの間一生懸命探してるおじさん。
ふと、おじさんからは対角の位置にある方向でキョロキョロの動作が止まった。
どうやら若いお兄さんを発見したようだ。大きい声で若いお兄さんを呼び寄せる。

 

それからしばらくして、今度は違う種目のセット間の休憩で、おじさんと若いお兄さんが目の前のスペースでトレーニングをしているところに遭遇した(正確には、トレーニングをしているのは若いお兄さんだけで、おじさんはずっと座って、トレーナーのような事をしている)。


相変わらず、おじさんの威勢の良い掛け声だけが聞こえる。
目の前で見ると、若いお兄さんは返事をしていない。
そして、トレーニングのセット間でも若いお兄さんがおじさんに何か質問をしている様子がない。

 

あれ?
これってもしかして?
お兄さんは、迷惑してるのでは?

 

事実、さっきはおじさんがキョロキョロ探してしまうような場所に移動して一人でトレーニングしていた。

事実、話しかけられても返事をしていないし、質問もしていない。
もし、若いお兄さんがおじさんにトレーナー役を頼んだのだとしたら、こんな事は起こらないだろう。

 

つまり、おじさんは、押し掛けトレーナーを勝手にやっているのでは?

とすると、あのおじさんて『世界の主役』になっちゃってる人なんだな。
そう考えると、辻褄があうのだ。

 

正直な話、おじさんは、年齢の割には良い体つきだけど、ジムの中ではこれと言って目立つ存在ではない。
ジム内には、あからさまなマッチョピーポー達がゴロゴロいるのだ。
そして、ジムのスタッフもたくさんいる。
ジムスタッフですら、おじさんよりも立派な体つきをしているのだ。
もし、トレーニング方法を聞きたいという事だったら、あのおじさんにわざわざ教えてもらう必要はないだろう。
その証拠に、おじさんに捕まってる若いおにいさん以外の人で、トレーニング初心者は、ジムスタッフが丁寧にトレーニング方法について指導やアドバイスをしてくれるのだ。

 

もちろん、おじさんと若いお兄さんが個人的に知り合いだから教わってるという事もあるかもしれないが、もしリアル知り合いだったとしたら「トレーニング途中でいなくなる」という事はあり得ないだろう。
つまり、最も可能性が高いのは、おじさんの押し掛けトレーナー。

 

そして、あの熱血指導ぶりから推測するに、『世界の主役』として『教えている俺素敵感』に酔っているのだろう。


『世界の主役』は、どうあっても周りを巻き込まざるを得ない存在なのだ。
なぜならば、『主役』なので観客が不在では役割を全うする事もできないし、そもそも、観客に見せる事を前提で行動しているので、周りへのアピールとも受け取れる過剰にすら見えるパフォーマンスが繰り広げられるからだ。


その後、俺がトレーニングを終えシャワーを浴び終えて帰る時にも、まだ、おじさんの熱血指導の声はジム内に響いていたのだ。


あれ以降、おじさんと若いお兄さんの師弟コンビを見かける事は無い。


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