シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

知らないうちに取り残されて

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仕事が終わって帰宅をしたら、家に入れなかった。

 

単純に、締め出されたのだ。

 

誓って言うが、俺は何もしていない。

何かのバツで締めだされた訳ではない、そう信じたい。

だけど、どこからも入れない。

 

玄関のカギ穴に、持っているカギを差し入れて開ける。

カギは開いた。

だけど、ドアは開かない。

チェーンがかかっている。

「それじゃあ」と思って、庭に回り、庭に面したガラス戸を開けようと試みるも全てのガラス戸にロックがかかっている。

インターホンを鳴らしても誰も出てこない。

家の人に何度も電話をかけるが誰も出てこない。

もはや打つ手なしだ。

 

駐車場には車が停まっているし、家の中には明かりがついているので、家の人達はみんな在宅のようだ。だけど、誰も反応してくれない。

 

こんな日に限って、スーツの上着を会社に置いてきた。

まだそこまで寒くなかったので車にジャンパーも置いていない。

さすがに日が暮れると少し寒い。

自宅の庭先の寒空の下、明るい部屋の明かりを前にして、一人スマホをいじっているとなんだかとても寂しい気持ちになってきた。

 

「ああ、こんな事なら疲れた体を引きずってでもジムに行っておけばよかったのかな」

そんな事を思いながら、しばらく外でたたずんでいた。

 

待つこと実に20分程度。

お風呂から上がって来たらしいウチの子どもに気づいてもらって、ようやく家の中に転がり込んだ。

 

「住むところがあるって素晴らしい」

そんな事を、あらためて思った夜だった。

後で聞いたら、家で飼っている猫が自分でドアを開けて外に出て行っちゃうのを防ぐために全部のドアというドアを施錠していたらしい。この時間は、大抵、俺がジムに行っているからまだ帰ってこないだろうと思っていたとも言っていた。そういう事ならしょうがない。

 

しょうがないんだけど、

あのたったの20分間でも、家から閉め出されていたあの時間はとても寂しい気持ちを味わった。まるで、世界中のどこにも居場所が無くなったようなそんな気持ちすら味わった。実際には、ただのすれ違いがちょっと起きただけの出来事。だけど、その当事者になると、世界から取り残されてしまって、存在を忘れ去られたような、とてつもない孤独。そんな気分。

 

俺も、どこかで誰かにそんな気分を味合わせてしまっている事は無いだろうか。

もし、誰かにそんな気分を味合わせてしまっているとしたら、心から申し訳ない。

そんな事を思うような体験だった。

 

故意でも事故でも手違いでも、こんな気持ちを味わう人が一人でもいなくなるように。

 そんな、誰にとっても優しい世界、そういう世界を実現させたい。