もうダメだと思った時からが本当の勝負の始まりだ
「進退窮まった」
そう思った瞬間が今日あった。
「マジかよ!」
思わずそんな声が出そうになったのを何とか抑えた。でも、心拍数は相当上がってしまった。
そんな状態になるなんて、一体何があったのか?
仲間と一緒に考えていたとあるアイデアがあったのだ。そのアイデアをちょっとずつ形にしていく中で、俺達はとても独創的だと思っていたんだけど、既にそれを実施している人達がたくさんいた事を知ったのだ。それを見た瞬間に、冒頭の感想を抱いたのだ。
その瞬間、心臓は高鳴り、顔面は恐らく蒼白になっていたはずだ。
慌てた俺は取り合えず気持ちを落ち着けようと努めて冷静なふりをして深呼吸をした。そして、よくよく調べてみる事にしたのだ。
その結果、どうやら見つけた情報は全て似て非なるモノだという事が分かった。その途端、焦りは消え失せ、心臓の鼓動は元に戻った。我ながら現金だなとは思う。
この気持ちのアップダウンを短時間で経験してとても疲れた。でも、心は晴れやかだ。心底安心した。
それと同時に、幾ら探しても俺達と同じアイデアを考えている人がこの世界にいないという事が分かった事で、とても心強い気持ちが沸いてきたのだ。
俺達は独自性がある。
誰も着眼していない所をしっかり見つめる事ができるというのが分かった。
そんな、自画自讃をしたい夜なのだ。
たまには良いよね。