いたって自然にさらさらとまるで流れるように
仕事上のミスを言い訳で何とか切り抜けようとするヤツがいる。
絶対に終えてないといけない仕事が、現にできていない状況があったので、「やってなかったの?」と確認の為に聞いてみた。
すると、こんな答えが返ってきた。
「いえ、やってなかったというか、まだできていなくて、すみません」
ちなみに、提出期限は昨日だったものだ。
その仕事について、まだできていなくて?
そんな事ってあるんだろうか?
そう思って聞いてみた。
「できていないの?」
「はい。できていないです、あ、いや、忘れてました」
と返ってきた。
もはや、言い逃れはできない事を悟ったのだろう。自白をするしか道は無いと気づいたようだ。
この人はいつもこんな調子だ。
起きたこと、と言うか、自分でやった事(この場合は、やっていない事だけど)の責任を引き受けようとはしないのだ。
必ず、自分以外の誰かに起きた出来事の責任を引き受けてもらおうとして、こんな言い訳を咄嗟にしてしまうようなのだ。
だけど、それが通用しないという事が分かった瞬間に、その直前まで自分が話していた内容がどうあれそれとは真逆の話をしはじめてもなんら悪びれる事もなく、というか、あたかも最初から言っていたかのように振る舞うことがあるのだ。きっと、自分が嘘をついていたと言うことは瞬時に無かった事になるんだろう。
そんな人がスタッフにいるのだ。
その彼には、いつも言っている。
「言い訳はして。なぜそうしたのかは常に考えておく必要がある。何にでもなるのだだけど嘘はつかないで。事実を教えてほしい」
これがいつも言っている事だ。
それでも、言い訳の為に嘘をつく。
一体、そこには何があるんだろう?
なぜ、そこまでして嘘をつく必要があるのか?そうせずにはいられない理由は?
本当は理由なんてどうでもいい。
その彼が、いや、みんながそれで良いならいいんじゃないかな。
なぜなら、困るのはいつだって、巡りめぐって、自分自身に返ってきてしまうことになるというのに。