疲労しているこの俺を披露
どうやら俺は疲れているみたいだ。
朝、出勤するなり言われたのだ。
「顔が疲れてますね」と。
確かに眠い。
とは言え、睡眠不足になるほど短い睡眠時間では無かったはずだ。特に夜更かしもしていない。でも、眠い。
そんな状態で一日、いや、そう言えばこんな状態は、ここ3日ほど続いている気がする。ということは、やっぱり俺は疲れているのかもしれない。
そして、今日、それを自覚する出来事があった。
仕事終わりにジムに行ったのだ。
眠いけど、体の調子は特に悪いわけでもないし、やる気が出ないという状態でも無いので、とりあえず短時間になってもいいからできるとこまでトレーニングして帰ろう と思ったのだ。
そんな今日のメニューはデッドリフトからスタートした。
順調にウォーミングアップを数セットこなす。先週よりも少し重たく感じる気がする。まあ、気のせいと言えば気のせいかもしれない程度の重量感だ。
メインセットの前のアップはそれなりの重量があるが、特にフォームに違和感も無くやれた。
体も十分に暖まり、「じゃあメインの重さにするか」と、プレートを付け替える。
直前の重さに20kgを加えた重量がメインセットだ。しかも、この重さは今回が初めての重量だ。シオタ史上最高重量でもある。今までに持ち上げた事は無い重さだ。と言っても、先週やった重さから5kg増えただけの重さなので、正直、問題なく挙げて狙った回数やれるんじゃないかなと思っていた。
ところが、この重さ、1回しか挙がらなかったのだ。2回目を挙げようと一瞬考えたけど、どうやっても2回目は挙がりそうも無い感じがしたのだ。無理してトライして、怪我をしても嫌なので1回で止めたのだ。
「あー、やっぱり俺疲れてるんだな。先週より5kg増やしただけなのに、1回しかできないなんて、これはけっこう疲労が溜まってるのかな。せっかくここまでいい調子で来てたのになあ」
そんな風に、かなりガッカリした心持ちで、休憩をした後に、重量を減らす為にプレートを外しにかかった。
そこで気づいたのだ。
「あれ?この重量って、もしかして、重すぎる?」
そうなのだ。
メインセットをやるときに付け替えたプレートを、本来つけるはずだったプレートよりも重たいものをつけてしまっていたのだ。
本来は、一番外側に5kgのプレートを一枚ずつ両側につけるはずだったのだが、なんと、10kgのプレートを一枚ずつ両側につけてしまっていたのだ。
つまり、本来やろうとしていた重さよりも実に10kg重たかったという事なのだ。
そりゃあ、一回しか挙がらないはずだ。と言うか、よく一回だけでも怪我もせずに挙げられたなというのが本音だ。
こんな風に、プレートの重さも計算できないし、倍も重さが違うプレートを勘違いしてつけたままトレーニングしたうえに、その理由を自分が疲れているから挙がらなかったという事で理解してしまうという恐ろしい状態だったのだ。
それくらい、俺は疲れていたようだ。
でも、体というか、筋肉は元気だったようなので、体の疲労は問題なさそうだ。
だけど、この脳みその疲れをなんとかしないと、もはや、単純な足し算すらもできなくなってしまったのだ。
この脳みそ、元に戻って、足し算間違えないようになるといいのだけど。
俺、大丈夫かしら?