シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

求めるモノは、ずっとそこにあったのかもしれない

もう何年もずっと髪の毛を切ってもらっている美容師さんがいる。

 

今日も、その美容師さんに、数ヵ月ぶりに髪の毛を切ってもらった。

 

もう何年もその美容室に通っているので、いつもと同じ風景のはずなのに、今日はいつもと違うところに目がいった。

 

取り立ててオシャレな街にあるわけでもないその店は、規模も小さく、スタッフの人数も僅か数人。現在その店で髪を切れる美容師さんはたった一人。その店のオーナーでもある美容師さんだけである。

その美容師さん(以下、Hさん)、髪を切るという美容室のメイン業務を一手に引き受けいてとても忙しく立ち回っているのにも関わらず、それをおくびにも出さず、かといって「仕事だから仕方ないよなあ」という空気を微塵も醸し出すことなく、誰にでも常に笑顔で丁寧な対応をしてくれる。

そして、重要な事だけど、腕が抜群なのだ。

 

「サービス業だし人気商売だから当たり前」と思う人がいたとしたら、恐らく世の中の事を知らない人か、自分を棚にあげ他人にのみベストを強要する人なのか、はたまた理想主義者か。いずれにしても、世の中を見渡せばそうで無いことは明らかである事を思い出して欲しい。

 

そして、言葉通り「誰にでも」なのだ。

客としてく俺にたいしてもそうだし、うちの子供にも決してへりくだるわけではなく子供が打ち解けたくなる絶妙な丁寧さで接してくれる。そして、何より自分の店のスタッフにも同じく丁寧な対応なのだ。

専門学校出たてで入社したスタッフから、パートで勤務してる主婦のスタッフ、何年も一緒にやってるスタッフまで、誰にでも分け隔てなく丁寧な対応で、全員から慕われているのがハッキリとわかる。

そして、何より凄いと思うのが社会人経験がこの店だけのスタッフが誰一人としてビクビクしていたりオドオドしていたりしないのだ。もちろん、オーナーや先輩をなめてる感じも無い。全スタッフが信頼感をもって楽しそうにキビキビと働いている。

 

こんな様子の美容室なので、こういう華やかな場所がとても居心地悪く感じてしまう俺のような人間も非常にリラックスして過ごす事ができるのだ。

もちろん、経営状態は良好そうだ。経営状態の話を聞いてみたことは無いが、お店の設備がちょこちょこ変わっていったり、いつ聞いても様々な出入り業者が各商品のサービスをしていたり、常に複数の客が店にいる状態で客にストレスを感じさせることなく回していたり。そんな諸々から感じている。

 

「この美容室のような会社って理想だよな」と改めて思った。

自社の状況に合わせ、身の丈に合わせ、働く皆が楽しく、不満なく、儲けもしっかり出していて、経営や待遇への不安もない。そんな状態を維持し続ける為に、惰性で仕事することなく、向上心を持って最新の知識や理論や技術の向上は求めて研鑽を続ける。

 

これを成し遂げる為の『理念』はどんな物なのか、いつか聞いてみたいと思う。

 

そんな、自分が目指す組織や働き方の1つのロールモデルがこんなに身近に有ったことをあらためて認識した土曜日だった。

 

それにしても、髪を切り終わった後にいつもHさんがチャチャッとやってくれる髪の毛のセット、いつも、髪を切ったその日だけは「この髪型カッコいいじゃん」て思うんだよなあ。あくまでも、髪型だけど。

 

毎回、もう二度と再現することが出来ないのだ…。