シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

CLIMBER?CLAIMER?CLEANER?

f:id:shiotapathos:20181025213659j:plain

※画像は”クレイジークライマー”です※

 

 

今日は、朝からクレイジークレーマーとの壮絶バトルが行われた。

 

結果は、『出入り禁止原爆固め』によるシオタの一本勝ち。

試合時間は、135分間に渡る大一番。

実に緊迫した空気の漂う大熱戦だった。

 

試合は、クレイジークレーマーからの一本の電話から始まった。

彼は、推定50代半ばの男性だ。

一見すると、物腰は柔らか“そう“でとても礼儀正し”そう”な言動をとる。

ただ、全ては“そう見えるフリ”なのだ。

入店してくる時には、顔を合わせる全店員に“満面の笑み”で最敬礼をして挨拶をしてくれる。これだけを切り取って見れば、とても素晴らしいお客様だ。もちろん、本人もそれを狙ってやっているのだろう。

ところが、ひとたび自分が気にいらないと思う事があった瞬間に、そのにこやかな表情をいっぺんさせて、腹の底から大声で怒鳴り出すのだ。これを何度注意しても行うのだ。そして、その度に「私は大きな声なんて一切出してませんよ。それなのに注意してくるシオタという店員さんの態度がおかしいんじゃないですか?」という事をさも被害者のように誰彼構わず話をしだすのだ。もちろん、俺以外の店員がこの様子を目撃しているが、そんな事はおかまいなしに、自論を展開する。しかも、今日はウチの本社にも同じ内容で電話を入れたのだ。

 

このクレイジークレーマーは、今日で来店が数度目の定期的にやってくるハイレベルなクレーマーだ。一体何がハイレベルなのか?そう、彼にはロジックは一切通じないのだ。凡そ、一般的に交わされる会話レベルのロジックですらも通じない。彼が見ている世界では「ありとあらゆる事が自分以外の人間の行いに起因していて、その全てが自分に仇為す事柄である」という世界観の中で起きる物事なのだ。だから、『A=B、B=C、即ちA=C』というロジックする通用しないのだ。この話の通じなさが、彼が“クレイジークレーマー”の二つ名を冠する最大の理由だ。そして、この話の通じなさこそが、今回、『出入り禁止』というウチの会社始まって以来の第一号の称号を手に入れる事になった最大の要因なのだ。

 

彼には、話やロジックは一切通じない。

これまでは、「それでもお客さんとして扱う必要がある」という会社の判断だった為に、そのように扱っていた。だけど、特命係長である俺からの進言により、遂に会社が折れたのだ。会社が折れることになった最大の理由は「他の店員の身の安全が保障できない」という部分だった。

そりゃそうだ。俺は、このクレイジークレーマーがどれだけ暴れたとしても、物理的に無傷で対応する事ができる。でも、これができるのは恐らくウチの店舗では俺だけだ。もし、仮にそういう事態が起きた時に、俺以外の社員が危険に晒されたとしたら、会社が全責任を負わないといけなくなるのだ。であれば、ウチの会社に利益をほとんどもたらすことなく、来店するたびにウチの店員達(もちろん俺も含む)に多大なるストレスと恐怖を与えるこのクレイジークレーマーを野放しにしておくのは得策では無いと、ようやく判断したのだ。

そして、遂に、「次に来店した際に、店舗で大声を出したり、店員に恐怖を与えるような言動をしたり、店員の注意を聞かなかったりした場合には、出禁も辞さない」という言質を会社から取り付けたのだ。これが、実に、2カ月程前の事だ。

そして、今日、彼が突然来店したのだ。

 

結果は上に書いた通り。

彼は、立ち去り際に「200%納得してないけど、とりあえず一旦帰ってやるからな」という名セリフを残して立ち去って行った。俺がその時口にしていた言葉は、たったの2つだけ。

「ウチのご利用は今後一切できません」「お引き取り下さい」この2語を延々繰り返した。

その結果が、「200%~」だ。

 

この国は、八百万の神々が住まう神の国だ。なので、もちろん“貧乏神”も“疫病神”もいる。そして、このクレイジークレーマーのような、我々人間に“害悪”をもたらすだけの“神”もいるのだ。

 

あれもカミ、これもカミ。

 

であれば、俺の中にも荒ぶるカミが住んでいるのかもしれない。

 今日一番大変だったのは、このクレイジークレーマー相手に文字通り“手を出さない”ようにするのに必死で自分を抑える事だった。本当は、彼の為にも俺の為にもウチの会社の為にも”ザ・クリーナー”としてキレイさっぱり掃除してやるべきだったのかもしれない。

 

あー、疲れた。