「スイッチON」それができれば苦労しないのだ
今日はとても刺激的な1日だった。
二日酔いから始まる朝、記憶の無い前日のパーティーナイト、座ってるだけでも気持ちの悪い日中、止まらない頭痛、キチ○イクレーマーからの電話、ストレスフル会議などなど盛りだくさんではあったけど、やっぱり一番刺激的だったのは、ウチの会社のポンコツピーポー大フィーバーだ。
但し、今日は俺が体験した案件ではない。
喰らったのは、社内で唯一の同志でもあり俺と同じく中間管理職を任されている後輩Mさんだ。
今日は、お客さん向けのプチイベントを運営する日だ。場所は、ウチの会社がある地方都市から少し離れたところにある田舎町。その町に昔からある時代を感じる公民館的な建物だ。そこを借りて販促的なイベントを実施した。後輩Mさんは、このイベントの監督的な立ち位置で彼らを率いている。実際の運営として動くのは、入社1年目から5年目くらいまでの数名の若手社員が行った。後輩Mさんは、少し離れた場所で監督をするという役割なので、極力、口も手も出さないのがミッションでもある。その為、会場入り時間も彼らとはずらしていたりするのだ。
しかし、イベント開始からわずか数分で、後輩MさんからLINEで連絡が入ったのだ。
「一体、何事だ?」
そう思って、携帯を見ると、後輩Mさんから俄かには信じがたいメッセージが。
後輩Mさん:「暗い会場だなと思ってたらスイッチを入れてなかった」
そうなのだ。今、これを読んだ誰もが思ったであろうこんな言葉が、俺の頭にも沸いてきた。
「ちょっと何言ってるかわからないです」
でも、これは事実なのだ。
イベント会場に行って、照明のスイッチを入れる。
たったこれだけの事に、イベントが始まるまで誰も気が付かないのだ。ちなみに、会場の準備時間は1時間以上はあったはずだ。だから、会場が暗ければ電気のスイッチを入れたりする時間は十分にあった。だが、一番恐ろしい事実は他にあるのだ。
何と、このイベントは過去に何度も運営しているものだ。過去の運営を元に、このイベントを運営するための資料(開催毎に更新される)があるのだ。「いつ・どこで・誰が・何を・どうする・それは何のためか」これが明記されているのだ。そして、当然、その資料の中には「会場の照明を確認する」というチェック項目も存在するのだ。そのうえで、この事故が起きる。そして、それを実施するのは、昨日今日この仕事を始めた人間たちではないのだ。もう何度もこのイベントやこれに類似するイベントに参加している人間ばかりなのだ。そのうえで、運営マニュアルも存在する。それでもなお、これだけの事が起きるのだ。
言われなくてもできる人がいる。
言われたことはできる人がいる。
マニュアルがあればできる人がいる。
マニュアルがあってもできない人がいる。
きっとこれは、能力だけの話じゃないのだ。
恐らく、問題は別のところにある気がするのだ。
一体、彼らはどう考えているのか。
何をどこまで『仕事』と捉えているのか。
『仕事』とは?『働く』とは?
誰もが一度は考えるであろうこの言葉の概念について、どこまで考えているのか。
問題はただそれだけの気がするのだ。これが、ウチの会社のポンコツピーポー達がポンコツ然としている理由なんじゃないだろうか。
そういう意味で、今日起きたエキサイティングな出来事のほんの一部分だけでも、俺にとっては非常に考えさせられる事案だったなと、ようやく二日酔いが抜けてきた深夜12時過ぎにあらためて思うのだ。