カッコイイとはどういう事なのか
「自分がカッコイイと思うのは、どんなに忙しくても全然顔に出さないでクールに仕事してる姿です。でも、実際にはクールに仕事できないので悩んでるんです」
これは、ウチの会社の若手社員(25歳女性)が言っていた言葉だ。
この時は、仕事の質がいつまでも低いレベルのまま変わらないと悩む若手社員数名に対して『美学・理想を持つ事で仕事の質が変わる』という話をしていのだ。
この人は一体何を言ってるんだろう?
率直な俺の感想だった。
そもそも、この人が『仕事をする』という事について、何を考えているのかを聞いてみようと思って幾つかの質問を投げてみた。そして、出てきた答えはこんなものだった。
「自分が人からどう見られてるかばかり考えてました」
これは中学生の話ではない。れっきとした社会人であり、大卒25歳女性の語った事なのだ。
『仕事をする』について話をしていたにも関わらず、自分が他人からどう見られてるかかばかり考えているという結論。この人の中には、仕事はただのアイテムなのだ。自分をどう見せるかというだけのアイテムなのだ。これで、全てに納得かいく。今まで、仕事上でどれだけの関わりをしてどれだけの指導をしても一向に仕事のレベルが上がらない事に。それでも、「私、成長したいんです」という事を臆面もなく誰にでも言っているあの姿に。
自分が他人からどう見えるのか?
他人が自分の事をどう思っていようがそれは俺にはあまり関係がない。少し前に流行ったアドラー的に言うなら、「それは、あなたの課題」だから。相手が俺についてどう思うかは、相手の課題であり、俺が代わりに考えてあげることじゃないのだ。
自分が自分をカッコイイと思えるかどうか。
美学や理想というモノを、そういう概念を、自分の中に持つ事は、もしかしたら俺が考えている以上にハードルが高い事なのかもしれない。