飲んだら飲まれて未来に数時間のタイムスリップ
「もう、本当に止めよう」そう思った。
俺がこんな事を言うのは、もちろんお酒の話だ。
この連休最後の休みだと言うことで昼間から冷蔵庫に数本残っていたビールを飲み出した。これが間違いの元だった。
朝イチからジムに行って、一番キツい脚のトレーニングで散々追い込んできた体に、よく冷えたビールはとても美味しく感じた。ゴクゴクと進んでいくビールは、飲めば飲むほど美味くなるような感じさえしていた。しかも、お昼ごはんはカレーうどんだ。美味いし辛いしでビールが進む。食って美味いし、飲んでも美味い。昼間からこんなに幸せを感じて良いのだろうかと思いながら、この時にはもう終わりが近づいていた事に、俺は全く気がついていなかったのだ。
それから食事を終えてしばらくは、テレビを見ながら乾きものでビールだ。番組は、昨日録画したイッテンヨンだ。「やっぱり、テレビの方が見やすいよなあ」なんて思いながら、ビールとツマミと共に自宅のこたつで見るプロレスは、会場で見るのとは全く別物だけど、会場とはまた別の最高感で溢れていた。そうして、プロレスが終わると次は別の録画してあった番組を見た。はずだったけど、そこからは覚えていない。どうやら、寝てしまっていたようで気が付いたら真っ暗になっていた。そうなのだ。昼過ぎだったはずがいつのまにか夜になっていたのだ。時計を見ると夜の9時。え?9時?もちろん、時計を二度見したのは言うまでもない。
「やっちまったよ…」
起きると、久々に顔を見る珍しい親戚がいた。そうだった。今日の午後に遊びに来るという話だった。そこから親戚との集いに参加した。途中で引き上げて本を読んでいたら、なんと、わざわざ呼ばれてまた引っ張り出された。何やら俺の仕事に関連するような悩みごとがあるらしい。その話を聞いていたら、あれよあれよと時間が過ぎて深夜になってしまった。親戚は近所に住んでいてお酒も飲んでいないので慌てる様子も無い。しかし、さすがに日が変わる時間になったのでお開きを迎えた。まあ、小さい頃からの付き合いで気心もしれているし、久々に会ったし、まあまあシリアスな相談内容だったのもあってこの時間になったのは何の問題も無い。だからこそ悔やまれるのは、俺の昼間の飲酒だ。あの時間、あの昼寝をかましていた時間、あれが有れば今頃予定通りに読書が進んでいたはずだったのに。これだけが悔やまれるのだ。
だから、お酒を飲むのは、何も予定が無い時だけにしよう。トレーニングとか読書とかダイエットが必要な場合には、お酒を飲まない。これを今年の自分の約束にしていこう。