俺たちの宝島
今日は、会社設立準備の中でもなかなかにプレッシャーの大きな日だった。
俺たちにとってはとてもとても大きな金額のお金を動かしたのだ。
とは言っても、日々会社経営をしている人たちからしたら何てことない金額だ。たったの300万円。会社を動かす上では大したことない金額だけど、今の俺たちからしたら、とてつもない金額だ。これが俺たちの会社の資本金になる。
これで、本当に後戻りできない。
これまでも、会社設立準備において「もう後戻りできない」という瞬間はたくさんあった。だけど、今日やってきたそれなりの大金であるお金を動かすというのは、実に緊張感がありつつ、実際に終わってみると意外と何てことのない、だけど、とてつもなく“何か”がグワーッとやってくるような感じだ。
これで、もう前に進むだけだ。
あと数日もすれば、名実ともに、俺たちの会社がこの世の中に出来上がるのだ。
これで、船は手に入れた。
この大海原に乗り出すための、とても小さくてとても頼りなさそうなすぐにでも強風で転覆してしまいそうな、だけどその一方では、とてつもない大きさの夢を乗せたとてつもなく速度が出てしまいそうなくらい身軽で小回りの利く俺たちの船だ。
なけなしのお金で作った俺たちの船。手元にあるわずかな食糧だけを積んで、仲間と旅にでるのだ。それ以外にあるとしたら、夢と自分たちの持つ力への大きな希望だけ。
さあ、出発だ。
目指すは、理想郷。
全速前進!
アイアイサー!