求めるものはただ一つ
新しい仕事が入ってきた。
とある業界の中では大手に位置する企業からの仕事だ。案件自体は大した金額の仕事ではない。ちなみに、これは俺たちの見解でもあるけど、そもそも先方の担当者が俺たちに向けて言っていた言葉だ。
とは言え、大手との直接の契約なので喜ばしい仕事ではあるけど、俺は一つ気に入らないことがある。
それは、『対等じゃない感』が企業の姿勢としてありありと出ている事だ。それはもう、言葉の端々に。契約の内容から。そして、契約書の詳細から。感じるのは、『下請けとして使ってやるからな感』だ。
ここから先は交渉だ。あくまでも、対等としてじゃないと仕事はしない。そらは以前から変わらない。ここだけが俺たちの最終防衛ラインだ。このラインさえ割らなければ、後は大抵の事は気にしない。その事を、直接的にも婉曲的にも伝えていこうと思っている。もちろんその結果どうにかなったとしても、それは、まあ、仕方ないかなと。
そんな感じで、とにかく、これからの展開に自分事ながらワクワクしてるところだ。
さあ、これからどうなる事か。