シオタの塩分過多な日常

シオタです。「しょっぱい自分が、塩分過多な毎日をどう過ごし、いかに楽しく生きていくか」がテーマです

約1万3千日の積み重ねを体感してきた


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怒髪天』言わずと知れたバンドの名前だ。

今日は、群馬県高崎市まで怒髪天のライブを観に行ってきた。今は、その帰りの電車の中でこのブログを書いている。

俺がこのバンドのファンになってから20年近くの時間が流れた。だけど、このバンドはそれよりも更に長い時間バンドとして活動している。ちなみに、今日のライブはバンドの35周年記念ツアーとのことだ。

「あれ?20年来のファンだと言ってる割りには随分他人行儀な物言いだな?」と思った人は御名答。
俺は、ファン歴は長いけど、怒髪天のライブに参加するのは今日が初めてなのだ。ファンて言っているのにと不思議に思うかもしれないけど、そんなことってあるのだ。理由は単純に「カネが無いから」。ただそれだけだ。じゃあ、今はカネがあるのかと聞かれれば、当然ながら今も無い。無いけど、無いのレベルが違うというだけの話だ。ライブを1回観に行く程度であれば今は死活問題にはかろうじてならないと言うだけの話だ。と言うことは、当然ながらこれまでは、ライブに1回参加するかどうかが死活問題になっていたという訳なのだ。威張れる話ではないけれど事実そんだったんだから仕方ない。

それくらいカネが無くて今まで来なかったくらいなのに何故今回ライブを観に来たのかと言えば、答えは簡単だ。
俺も、怒髪天のメンバーもいつ死ぬか分からないと切実に思ったからだ。その切実さと、状況的な条件が揃ったのが今日だった。だから来た。それが初参加の理由だ。

CDはほとんど持っている。一番ハマってた時代には散々聴き込んだけど、ここしばらくは曲を聴く頻度も減ったし、活動状況を追っていない事もあって、増子さんが大河ドラマに出ていることもライブのMCで知ったし、ライブで演奏した中には知らない曲もあった。そんな状態だけど、とても楽しめた。とても最高なライブだった。

怒髪天もそうだけど俺が好きなミュージジャン達はみんなストレートに感情を表現する人達だと思っている。それぞれのミュージジャンがそれぞれのスタイルでストレートに感情を表現していると俺は感じている。でも、その中でも特にストレートさを感じるのが怒髪天だ。ストレートの中のストレート。試合の最初から最後までストレートで押しきる感じだ。しかも、全てが豪速球だ。仮にタイミングがドンピシャでボールをバットの芯で捕らえていたとしても、芯に当てたバットがへし折れるくらいのストレート。それくらい真っ直ぐに歌を唄うし、演奏するし、動くし、こちらに届ける。
今日のライブでもボーカルの増子さんが言っていたように、「本気」で歌い演奏しているのを、本気で受け取る観客。そんな本気の応酬が繰り広げられていた。その観客の中の一人である俺ももちろん真正面からその本気を本気で受け止めて、俺vs怒髪天という、俺の中でも屈指のベストバウトを繰り広げてきた。その結果が、「最高」という感想だ。

ライブのMCで増子さんも言っていたけど、かっこつけてかっこよく見せようとする事よりも、がむしゃらに必死で自分の全部を出して全力でぶつける姿がかっこいいって事なんだよなあ。そんな事を、既に50歳代になっているバンドの人達に、まさにその姿を示してもらうことができた。本当に観れて良かった。本当に聴けて良かった。本当に体感できて良かった。

「こんな人になりたいなあ」。あの頃、怒髪天のCDを聴いたりインタビュー記事を読んだりして、よくそんな事を考えていた。こんな風に強く真っ直ぐに自分に対して全力で挑んで全力で超えていくような人になりたい。そう思って、『北風に吠えろ!』を聴きながら、自分をいつも奮い立たせようとしていた。もちろん当時はライブに行ったことが無かったので全ては想像の産物だけど、増子直純はそういう人なんだと思っていた。本当のところは知らないまんま。そんな俺が、今日、初めてライブに参加して、あの頃の気持ちを思い出す場面が何度もあった。だけど、あの頃憧れていた気持ちは今日は懐かしかった。今の俺は、憧れももちろんあるけど、どちらかと言うと同胞のような気持ちを抱く事が多かった。

同胞と言っても、俺はミュージジャンでも無ければ俳優でもない。歌も作れなければ歌えもしないしあんなに激しく動き続けることもできない。だけど、同胞だと感じた。何故なら、全力で生きて、全力で自分にできることの為に自分の持てるものを使いきろうとしているように見えたからだ。自分の全存在を持って、怒髪天を観に来た目の前の観客たちに、全力で投げつけて、己の持ってるものを惜しみ無くさらけ出そうとしているように見えたからだ。

そんな生き方を観て、憧れよりも、同胞でありロールモデルとして見ていたような気持ちがするのだ。もちろん、ロールモデルって言っても、リーゼントにはしないし、歌も歌えないけど。でも、間違いなく、俺の中の目標となるような生き方をしている人だと思うのだ。

ライブの最後に、「1つだけ約束」って言ってたから、いつか約束を果たしに行こうと思う。
「生きて、また会おう」って言ってたから、いつか約束果たしに行こうと思うんだ。

次会う時には、今よりも立派な俺様になっていられるようにしたいなと思っている。